随分と久しぶりに
二輪車の残骸を見かけました。
昔はこんなものは珍しくもなんともなく
パリ中あちこち出かけていると
二ヶ月に一度くらいは
こんな姿をさらしている光景に遭遇したものです。
まず
自転車は
いわゆる「自転車の鍵」などなんの役にも立たず
いとも簡単に壊されるので
普通はチェーンを買って街灯や交通標識などに
結びつけておくべきものでした。
フランスで自転車が街中で普及し始めたのは
せいぜいここ10年ほどのことで
昔は競技用以外にママチャリなどまず存在しなかった
にもかかわらず
簡単に盗まれていたんです。
チェーンでフレームを何かに固定しておけば
サドルが盗まれ
何か一つ部品がなくなると
連鎖反応でライトも無くなり
車輪も外して持って行かれ
結局フレームしか残っていない
というのは当たり前だった。
自転車だけではありません
小型のスクーターやバイクも
同じ目に遭っていました。
だから
自転車を持っている少数のパリジャンたちは
駐輪中はサドルを外して持ち歩き
帰宅すると自分のアパルトマンまで持ち込んでいたのです
毎日。
21世紀になって
なぜだかその方面の治安がフランスはどんどん改善されて
無残な残骸を見かけることは
めったになくなったとは言うものの
やっぱり。。。
このスクーター
顔が無くなってるし
風防もないし車輪もありません。
歩道にあるので
自損事故で壊して
車道に置くスペースがなく歩道に置いておいたら
なんやかやでもっていけるものは全部
持って行かれてしまった
という感じだろうか?
反対側の側面を見たら
後輪は
外されているものの
残ってる。
それにしても変わり果てた姿で
なんとも老婆心ながら久しぶりに
フランス社会の本来の姿に触れた気がした
今日の散歩でした。
余談ですが
「バイク」はまたがって乗る二輪車で
腰掛けて乗る二輪車は「スクーター」です。
今や
日本の若い人たちは
エンジンの付いた二輪車を
全部バイクと呼んでいるらしいですが。