今や
パリは町中桜だらけ。
なんて書くと
日本の
桜の名所のような光景を思い浮かべるでしょうが
それはちょっと違うのです。
昔は
フランス中で
桜の木は非常に少なかったのですが
ここ30年ほどで
じわじわと増え始め
今や
4〜5本くらい連なる桜並木は
パリでも随所に見かけるようになりました。
あとは
公園の中はもちろん
小さなスクワール(辻公園)や
一般の集合住宅の玄関に向かう空間とか
とにかく
団子好きも歩けば桜に当たる
ってな具合に
桜のある光景がごく自然な日常になったフランスです。
ありがたやアリガタヤ。
そこで
これらの写真をよっくご覧ください。
実は
幹が1mか1,5mほど「直線」で立っていて
そこから急に多くの枝が広がる
という育て方をするのです
フランスでは。
この二本の桜の木のツーショットが
わかりやすいかも。
手前に
植えて1年か2年ほどの若木があり
花をつけています。
細い幹がヒョロンと直線で
一定の高さの位置から枝分かれ。
奥に見える樹齢の大きな桜の木も
まっすぐの幹から
「突然」多くの枝が広がっているのがわかりますよね。
筆者は
慣れない頃は
なんかあまりにも不自然に思えたものです。
しかし
日頃からよくよく観察すると
フランスでは別に桜だけではなく
多くの樹々が同じ作り方で植えられているのです
古木になると
結構太い幹なのに
1〜2mの高さまは枝を出さず
同じ高さで毎年毎年剪定を繰り返して
そこから伸ばした枝が
いずれもそこそこ太くなってゆくと
それらの枝の一部を根元から剪定する
ということを続けた結果
幹のてっぺんに「瘤」がたくさんつていて
そこから枝が広がっている。
草地や樹木や池や小道などを
さりげなく「自然に」見えるように配置して
人工的に自然を作ってゆく
「イギリス式庭園」に対して
すべてを幾何学的に配し
人の力で自然を理性的に配列するのが
「フランス式庭園」なので
この育て方が普通なのです。
でも
桜の木にはあまりにも合わない気がして
気持ち悪いなあ
と思っていたものです。
枝も
増えすぎたり太くなりすぎると剪定するので
フランスの桜は「しだれ」ません。。。